サンケイオリコミセンター様向け 販売管理システムのリプレース

COBOLからWebシステムへのリプレース

サンケイオリコミセンター様の販売管理・出荷管理システムにおいて、COBOLからWebシステムへのリプレースを担当させていただきました。
旧システムの保守終了に伴うリスクや、高額な専用端末の使用による負担を解消し、コスト削減と業務効率化を実現するため、AWSへの移行やスマートフォン対応の導入をご提案し、実施いたしました。
既存システムの詳細な分析を行い、お客様と密にコミュニケーションを重ねながら要件定義を進め、Webシステムならではの便利な機能を実装することで、より使いやすいシステムの構築を心がけました。
さらに、クラウド環境の導入により将来の拡張性を確保し、ハードウェアの最新化を通じて、システム全体の利便性を向上させました。

▼背景

お客様が長年ご利用されてきた既存システムについて、開発元でCOBOLの技術者がいなくなることにより、今後保守対応ができなくなる状況となり、その結果、今後のシステムの安定稼働に大きなご不安を感じていました。
また、利用していない機能がいくつもあり、これが無駄になってしまっている現状も課題として認識されていました。
さらに、1台約20万円という高額なハンディーターミナルを導入しており、故障などによる買い替え費用が大きな負担となるリスクを抱えておられました。

▼課題

ご提案のため、ヒアリングさせていただいたところ、以下のご要望と課題がありました。

  • ・できるだけ低コストで実現したい
  • ・ハンディーターミナルが高額なため、容易に買い替えや増設ができない
  • ・オンプレミスのサーバーを利用しており、保守や更新等の手間と、管理コストがかかっている
  • ・ファイルサーバやネットワーク機器、クライアントPCが古い(Windows7)

▼ご提案内容

・必要最小限の機能に絞った開発

お客様のご要望で、コストを抑えるため、必要最小限の機能に絞った開発をご提案いたしました。

・業務用ハンディターミナルの切り替え

将来的な買い替えや端末の増設を容易に実現できるように、従来の専用端末からAndroidスマートフォンへの切り替えをご提案いたしました。

・サーバーのAWSへの移行

管理コストの削減のため、オンプレミスのサーバーをAWSへの移行をご提案いたしました。

・機器最新化

当社は機器調達も得意としており、このたびの新システム導入に際して、最新のファイルサーバーやクライアントPC、ネットワーク機器の最新化をご提案させていただきました。
当社にて機器の設定、お客様先に訪問しての設置作業、導入後の保守サポートを一貫してご対応させていただきます。

▼要件定義

既存システムの設計書や資料がほとんどなく、開発元との契約上、ソースコードを提供できない状態であったため、まずはお客様の現状の業務フローを詳しくお伺いし、画面の表示内容や入力操作、出力される帳票をもとに、業務について詳細な分析を行いました。
その後、現行業務フローと新システム導入後の業務フローをフロー図としてまとめ、それに基づいて要件の整理を進めさせていただきました。
また、変化を分かりやすいようにご説明させていただき、仕様のずれや認識のずれが生じないよう、コミュニケーションを密に図りました。

▼開発・テスト・移行

開発に際しては、Web画面やハンディアプリの画面、帳票のサンプルを作成し、事前にレイアウトや操作感を確認することで、認識のズレを極力減らすよう心がけました。
結合テストでは、お客様と協力して実際の業務シナリオを洗い出し、それに基づいてテストシナリオを作成し、テストを実施しました。
その後、受け入れテストのサポートを行うとともに、QA対応を通じて現場の方々にシステムを深く理解していただくことに努めました。
設計書などの資料がほとんどない状態で設計・構築を進めたため、旧システムを使った従来の業務が正常に行えるかどうかを確認する目的で、開発完了後に一定期間、旧システムとの並行稼働を実施いたしました。
並行稼働中に得られたフィードバックをもとに、修正や改善を重ね、最終的に新システムへの移行を完了いたしました。

▼成果

当初は四苦八苦したこともありましたが、お客様に対して運用のヒアリングを重ね、実際に画面の動作を確認することで、業務についての理解を深め、UI/UXを向上させたWebシステムを提供することができました。
さらに、既存システムにとらわれることなく、業務上の課題や負荷軽減につながる仕組みを柔軟に取り入れることで、より実用的で効果的なシステムを実現できました。
また、クラウドシステムとして構築したことにより、物理サーバーの管理負担を軽減し、今後の機能拡張にも柔軟に対応できる構成を実現しました。
加えて、クライアントPCやファイルサーバー、ネットワーク機器も新しいものに刷新し、全体の利便性向上を図りました。

▼システム情報

サーバー種別 クラウド(AWS)
サーバーOS Amazon Linux2
APサーバー Apache Tomcat
DBサーバー PostgreSQL
開発言語 Java
サーバーサイド Spring Boot / Thymeleaf / MyBatis
フロントエンド Bootstrap / Vue.js
OS(ハンディー) Android
開発言語(ハンディー) Flutter
システム開発費(概算) 900万円
AWS月額コスト(概算) 2万円
機器導入費(概算) 130万円

 

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